時間学研究所の紹介

山口大学・時間学研究所は、広中平祐学長時代の2000年4月に設立されました。設立の意図は、時間という観点から研究者間の交流を図り、新たな学際領域を創造するとともに、その成果の社会的な還元を行なうことにあります。特に本研究所の場合、文理融合による研究成果を目指している点に特色があります。

研究所の組織は現在、所長兼教授1名、教授1名、准教授1名、講師(テニュアトラック)1名、助教(テニュアトラック)1名、教授(特命)1名、助教(特命)1名、兼務所員15名、客員教授13名、合計35名の体制となっています。所員の学問分野は、生物学・医学・工学・物理学・心理学・哲学・社会学・経済学・文学・歴史学など多岐にわたり、すべての学部との関わりがあります。所員は宇宙地球科学部門、数理科学部門、生命科学部門、工学部門、心理学部門、社会科学部門、人文学部門という7部門にそれぞれ所属していますが、研究領域にとらわれない交流を重視しています。

時間学研究所は、時間学という新しい学問を構築することを目指しています。時間の研究というと「時とは何か」「時間はいつ生まれたか」といった直接的な問いかけを想像する方が多いと思います。これは実際に物理学や哲学において研究されている事柄ですが、時間学はより広い時間の概念も対象とします。例えば現代日本の鉄道は世界一正確に運行され、私たちはそれを当然と思って暮らしていますが、このような時間意識を持っている文化は地域的にも歴史的にも珍しいのです。明治維新直後の日本人は時間に大変ルーズだったという記録もあります。また、楽しい時と退屈な時では、時間の流れる速さがまるで違うことは誰しも体験することです。これは心理的な時間と言えます。ヒトを含む多くの生物はおよそ24時間の周期で活動に変化が現れますが、俗に体内時計と言われるこの現象は遺伝子のレベルで解明が進んでいます。このように時間には大変な多様性があり、それは時間が自然現象、社会現象、芸術、人生など、あらゆる事象にかかわっているからです。時間の多様性を明らかにすること、また多様性の起源を理解することが、時間学の目標の一つといえます。

多様な時間の研究は、時間学研究所だけでできることではありません。できるだけ多くの研究者が交流できる場とすることを目指して2010年に日本時間学会が設立され、研究雑誌「時間学研究」が定期的に刊行されています。山口大学時間学研究所は日本時間学会と連携し、活動を支えています。国際的にも、世界各地の時間に関する研究者が参加する国際時間学会があり、2022年には国際時間学会の大会を山口大学で開催することも予定されています。

時間は誰にとっても重要なテーマですから、時間学の研究を社会に還元することには大きな意義があると言えます。時間学研究所では、研究成果を書籍として出版し、また市民向けの講演会を開催することにも力を注いでいます。機会があればぜひ時間学の研究に触れていただき、そして他に例のない時間学研究所の活動をご支援いただけますことを願っております。

山口大学時間学研究所長 藤沢健太

時間学概論書影0620時間学Ⅱ_カバー書影

 

 

 

 

 

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❝時間学研究所の紹介(~2015年度)❞